重症筋無力症

全身の筋力の低下や疲労、眼瞼下垂と言った症状を引き起こす病気。 日無い変動ですが夕方に最も症状が強く現われ、休息をとると一時的に回復する事から病気と気が付かない人も少なくありません。

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重症筋無力症の八割が日常生活へ復帰

10万人に3〜5人程度の割合で発症する比較的珍しいもので、男女比率は2:3で女性の方が若干多い傾向が見られます。 厚生省が認定する「特定疾患」に数えられるので、手続きさえ行えば医療費の一部公費負担が可能。 以前までは命を落とす人も多かったのですが、最近では医学の進歩によって適切な治療さえ行えば8割の人が日常生活へと戻る事が出来ます。

重症筋無力症の原因と症状について

重症筋無力症の原因

主に自己免疫疾患が原因と考えられています。 筋肉は、脳からの指令が末梢神経を通って筋肉へと伝わる事で筋肉運動へ繋がります。 その神経の末端と筋肉の間隔では、神経末端側からアセチルコリンが分泌されており、これが筋肉側の受容体と結合して電気パルスを発生する事で筋肉の収縮が行われます。 しかし、重症筋無力症の人は何らかの原因によってアセチルコリンの信号を受け取る受容体を攻撃する免疫抗体が形成されて、結合や電気パルス信号が通常通り行われず筋力の低下へと繋がります。 この免疫抗体の異常を自己免疫疾患と呼んでおり、患者の胸腺に腫瘍が見られている事と胸腺の腫瘍を取り除く事で症状が緩和・または無くなる事から、胸腺が関与していると言う考えが有力視されています。 殆どがこのアセチルコリン受容抗体の異常によるものですが、1〜2割の人はこれが原因ではないと診断されています。 その為、完全な原因解明には至っていないのが現状です。

重症筋無力症の症状と分類

症状が一部の場所にだけ現われる場合と全身に現われる場合があり、その症状によって次の様に分類されます。

眼筋型(眼症状)

最初に現われる事が多い症状、複視や眼瞼下垂、斜視と言ったものが現われます。 初期段階では大した症状ではない為、気のせいだと放置しておくと症状がだんだんハッキリ現れるようになってきます。

球麻痺型(球症状)

眼筋型の症状が現れた後、構音障害や嚥下障害と言った球麻痺症状が起こります。球とは延髄球と言う口や舌の運動を司る神経が集合した場所で、ここに異常が現われるとこう言った症状が起こるのです。

全身型

上記2つの症状が現れるもの、これが更に悪化すると手足の筋肉が弱まって日常生活が困難になってしまいます。 急激に症状が進んで呼吸困難を引き起こす(クリーゼ)場合もありますので、早めに医師の診断を受けておきましょう。

重症筋無力症による合併症

重症筋無力症では、次の様な合併症を伴う場合があります。 治療出来るものは早めに治療すると、合併症だけでなく重症筋無力症自体が良くなるケースもあります。 その為、何らかの合併症が発見されたら早期治療を心掛けましょう。

・胸腺肥大 ・胸腺腫
・呼吸不全
・慢性関節リウマチ
・多発性硬化症
・シェーグレン症候群
・橋本病
・他の自己免疫疾患(合併してオーバーラップ症候群を引き起こす場合も)

重症筋無力症の治療法

治療方法には次のものが挙げられ、症状や年齢を考慮した療法が選ばれます。

血漿交換法

受容体を攻撃してしまう抗体が含まれた血液を、輸血用の血液と交換する方法。 効果は即効性で効果は期待出来ますが、免疫抗生剤を併用して行わなければなりません。 他人の血液を用いるので、副作用が起こる場合もあるので注意が必要です。 また、設備が揃っている場所ではないと行えないので、ある程度大きな病院でなければ行えない可能性もあります。

胸腺摘出術

異常の原因となっていると考えられる胸腺を摘出する手術。 高確率で症状が改善されますが、60歳以上でCT上胸腺が萎縮しきっている人や十度の合併症を持つ人、2〜3歳以下の小児にはオススメ出来ません。

ステロイドホルモン

胸腺摘出後も症状が続く、または手術そのものを行えなかった場合に行われる方法。ステロイドホルモンを投与し、一度ではなく徐々に量を増やしていきます。 アザチオプリンなどの免疫抑制剤を使用する必要があり、それらは副作用が強いので注意が必要になります。

抗コリンエステラーゼ剤

電気パルス信号機能を回復する方法、効果は高いもののあくまで対症療法で一時的なもの。 経過や予後が改善する様な働きはありません、また長期間投与すると症状が悪化する恐れもあります。

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